修理受付はExcel、設備情報は別の台帳、顧客とのやり取りはCRM。業務ごとに管理先が増え、同じ顧客の情報や作業の内訳を行き来して確認していないでしょうか。
IPModuleMaker(業務アプリメーカー)は、vtplusの中に、自社の仕事に合う業務アプリを作るためのノーコード開発支援エクステンションです。「モジュール・関連」「項目・添付」「明細テーブル」の3つの設計機能を備えています。
例えば「修理受付」という管理の入れ物を作り、顧客企業と関連付け、対応内容や添付ファイル、作業明細を扱う構成を考えられます。画面の項目だけでなく、情報のつながりと、一件に複数行ある内訳まで設計できることが特徴です。
この記事では、3つの機能の詳細、Vtiger標準機能との役割分担、修理受付アプリを作る設定例、日々の操作、導入前に確認したい範囲を解説します。
1.IPModuleMakerとは?業務アプリを作る3つの設計機能
VtigerCRMの「モジュール」は、顧客企業、顧客担当者、商談など、管理する情報の種類ごとの入れ物です。「レコード」は、その中に登録する一件のデータを指します。
IPModuleMakerでは、管理者がモジュールを作り、既存の情報と関連付け、必要な項目や繰り返し入力する明細を設計します。利用者は、作成された業務モジュールの画面で情報を登録・確認します。
顧客や商談とのつながりを設定
親レコードの参照・ファイル
計算・合計・履歴・レポート
標準のレイアウトエディターと、どう使い分けるか
IPModuleMakerだけですべての項目を作るわけではありません。一般的な文字列・数値・日付・選択リストの追加や、項目の配置はVtiger標準のレイアウトエディターで設定します。
| 作りたい内容 | 使う場所 | 設定例 |
|---|---|---|
| 業務の管理単位・情報同士の関係 | モジュール・関連 | 修理受付を作り、顧客企業と関連付ける |
| 通常の入力項目・配置 | Vtiger標準レイアウトエディター | 受付日、機器名、希望日、受付区分 |
| 書式付き説明・追加担当者・参照・添付 | 項目・添付 | 対応内容、技術担当者、仕様書 |
| 一件に複数行ある内訳 | 明細テーブル | 作業内容、使用部品、数量、単価、金額 |
「ノーコード」は、必要な構成を画面から設定できることを指します。何を一件として管理するか、どの情報を関連付けるか、誰が編集するかという業務の整理は必要です。
2.モジュール・関連:業務の入れ物と、情報のつながりを作る
表示名・配置先・採番・ステータスを設定して作成する
「モジュール・関連」では、表示名と単数名、配置するアプリ、管理番号の接頭辞、アイコン、ステータスなどを指定します。配置先には営業、マーケティング、サポート、在庫・販売管理、プロジェクト、ツールなどの選択肢があります。
例えば、修理受付なら表示名を「修理受付」、管理番号の接頭辞を「RP」とし、業務に合わせたステータスを登録します。内部名はIPCustom0001などの形式で自動採番されるため、利用者向けの名称と分けて管理できます。
作成時には更新履歴、CSVインポート・エクスポートの設定を選べます。また、3列の概要、ドキュメント、コメントを使う構成が設定されます。実際の表示は、必要な標準機能の利用状態や権限に応じます。生成モジュールのCSV機能と、後述する明細データの入出力は別です。
参照・1対多・多対多を、用途に合わせて選ぶ
モジュールを増やすだけでは、顧客情報と新しい業務が別々の台帳になってしまいます。関連を設定して、「どの顧客の修理か」「一つの設備にどの点検記録があるか」といったつながりを持たせます。
| 方式 | 設定される内容 | 利用例 |
|---|---|---|
| 参照 | 自分のレコードから、相手の一件を選ぶ項目を追加。必要に応じて相手側の関連一覧も設定 | 修理受付から、依頼元の顧客企業を選ぶ |
| 1対多 | 親に子の一覧を表示し、子に親を選ぶ項目を追加 | 一つの設備に、複数の点検記録を関連付ける |
| 多対多 | 関連タブで複数の相手を管理。参照項目は追加しない | 研修の開催回と参加者を関連付ける |
関連元・関連先、表示名、参照項目を置くブロック、追加・選択などの操作を設定し、プレビューで配置先を確認して実行します。ここでの利用例は設計案です。実際に使うモジュールが対応することを確認します。
「子のレコード」と「明細の行」は、管理の単位が違う
受付番号・状態・担当者を持つ点検記録
記録ごとに検索・編集する
親の設備と1対多で関連付ける
一回の点検に含まれる確認項目
作業の数量・時間・金額の内訳
親レコードの明細として行を保存する
それぞれの行に独立した担当や進行管理が必要なら、子モジュールにする方法を検討します。一件の業務の中にまとまる作業や費用の内訳なら、明細テーブルが候補になります。
診断・表示の確認・管理対象のZIP出力にも対応
生成モジュールの一覧から、診断、補完前の確認、概要設定、有効・無効、標準のフィールド設定、モジュールのZIP出力などを実行できます。関連の表示に問題がある場合は、「表示確認・修復」で登録状況を確認し、必要な処理を明示的に行います。
補完処理は、手動変更したファイルを無条件に上書きする構成ではありません。競合や確認できないスキーマがある場合は停止します。ZIP出力も、別環境への移行全体や添付・明細データの移行を無条件に保証するものではありません。
関連の対象は対応するモジュールに限られ、標準モジュールごとの処理や追加された拡張によって制約があります。この版では同一モジュール同士の関連設定も対象外です。画面の案内と、作りたい関係を照合しましょう。
3.項目・添付:業務に必要な4種類の項目を加える
「項目・添付」では、対象モジュール、配置ブロック、種類、表示名を順に指定して項目を作成します。対象にできる既存の標準モジュールにも利用できます。作成後の配置は、標準レイアウトエディターで調整します。
① 書式付き説明:画像や表を交えて、対応内容を記録する
書式付き説明は、レコードの内容として保存する文章欄です。太字・斜体・下線・見出し・箇条書き・番号リスト・リンク・表などを使え、文字色も設定できます。JPEG・PNG・GIF・WebP画像の挿入にも対応します。
修理受付なら、不具合の状況、確認した内容、対応結果などを見出しで分け、画像や表を添えて記録する使い方が考えられます。画像のアップロード完了を待ち、レコードを保存して内容を確定します。
この「書式付き説明」は利用者がレコードに入力する情報です。入力欄の書き方を案内するヘルプ表示とは役割が異なります。また、文章内の表は説明の一部で、計算や行データの集計を行う明細テーブルとは分けて使います。
② 追加担当者:所有者とは別の、業務上の担当を記録する
追加担当者は、ユーザーまたはグループを選ぶ項目です。例えばレコードの所有者に加え、「技術担当者」「確認担当」といった役割を記録できます。
追加担当者の選択によって、レコードの所有者や共有権限は変わりません。その人にレコードを閲覧・編集させる必要がある場合は、CRM側の権限・共有の設定も確認します。追加担当者を選ぶだけで通知や承認処理が動くという機能でもありません。
③ リレーション:親レコードを一件選ぶ項目を作る
リレーション項目では、親モジュールを指定し、そのモジュールのレコードを一件選びます。例えば、作成中の業務レコードから、関連する親案件や親設備を参照する用途です。
参照項目だけを追加したい場合は「項目・添付」、相手側にも関連一覧を表示したい場合は「モジュール・関連」を使い分けます。同じ目的の参照項目を、両方から重複して作らないようにします。
④ ファイル添付:項目の意味と一緒に、一つのファイルを管理する
ファイル添付は、一項目に一ファイルを持たせる機能です。「仕様書」「依頼書」「確認資料」など、何のファイルかを項目名で示せます。許可されたPDF、画像、Officeファイル、CSV、TXT、ZIPなどを扱い、形式・内容・画像サイズの検証を行います。
これは、全形式のファイルを自由に登録できる仕組みや、すべてのOfficeファイルをブラウザー内でプレビューする機能を示すものではありません。複数の資料を継続的に管理する場合は、標準のドキュメント機能などとの役割も整理します。
添付容量と、非公開の保存先を管理する
項目ごとに有効・無効と、添付上限1〜30MBを設定できます。実際のアップロードには、PHPの容量上限も適用されます。
添付の物理ファイルはWeb公開領域の外へ保存し、CRM側で権限を確認する取得経路を使います。サーバー側では保存先と書き込み権限を準備し、DB・CRMファイルに加えて、この添付保存先もバックアップします。
管理画面には、実際の保存先やPHP側の上限を確認する表示があります。「24時間以上未保存の添付を整理」は、まだレコードに結び付いていない添付を対象とする機能です。保存済みの業務資料を一括整理する操作とは区別します。
4.明細テーブル:一件のレコードに、複数行の内訳を持たせる
一つの修理受付に複数の作業、一つの設備点検に複数の確認箇所、一つの申請に複数の費目がある場合、項目を横に増やし続けるより、行で内訳を持つ方が扱いやすいことがあります。
明細テーブルでは、管理者が表を設計し、利用者が親レコードごとに行を登録します。一つの表について、一レコード当たり最大300行、列は1〜20列の範囲で設定します。
5種類の業務ひな形から、表の設計を始める
- 設備点検:点検項目、測定値、判定、備考
- 修理・保守:使用部品、数量、作業内容、作業時間
- 商談の比較・要望:比較対象、評価、顧客の要望
- 社内申請の費用:費目、金額、理由
- 工事・導入の作業内訳:作業項目、数量、単位、単価、金額
ひな形を選び、対象モジュールと表名を指定してプレビューを確認します。作成前に列名や内容を調整できます。例えば、修理受付で金額も扱いたい場合は、数量・単価・金額のあるひな形を参考に、必要な作業列を設計します。
文字・数値・日付・選択肢・チェック・計算式を設定する
列の種類は、文字列、複数行の文字、数値、日付、選択肢、チェック、計算です。列ごとに表示名や必須指定を設定し、数値・計算列には小数桁数や合計表示を設定できます。
チェック列を必須にした場合は、チェックが入ることを求める扱いになります。確認済みであることを記録したい場面など、意図に合うかを確認して使いましょう。
計算列は、前にある数値列・計算列を参照する
計算式には、列の識別子、数値、四則演算、括弧を使います。例えば、数量の列識別子をquantity、単価をpriceにした場合、金額の式をquantity * priceと設定できます。
参照できるのは、同じ行で前に配置した数値列・計算列です。Excelの関数や、別モジュール・別の行を参照する自由な数式がそのまま使えるわけではありません。空欄の数値は計算上0として扱い、ゼロ除算はエラーになります。業務上入力が必要な数量・単価は、必須指定も検討します。
| 作業項目 | 数量 | 単価 | 金額:数量×単価 |
|---|---|---|---|
| 確認作業 | 2 | 5,000 | 10,000 |
| 調整作業 | 1 | 3,000 | 3,000 |
| 金額列の合計 | — | — | 13,000 |
表の桁区切りは説明用の表示です。数値を入力・貼り付けするときは、対応する形式に従います。この明細の計算だけで、請求書の発行、入金管理、在庫引き落としなどが自動実行されるものではありません。
小数桁と端数処理、列ごとの合計を設定する
数値・計算列の小数桁数は0〜6桁で設定できます。計算列の端数処理には、四捨五入(絶対値)、切捨て(0方向)、負の無限大へ、正の無限大へ、という選択肢があります。負数も扱う場合は、想定する結果を確認します。
合計を表示する数値列・計算列を選ぶと、対象行の合計を確認できます。計算結果と合計は「計算を確認」または明細保存時にサーバーで計算します。値を変更した直後に、表示中の計算結果が常に最新とは限らないため、計算確認と保存を使い分けます。
5.活用例:「修理受付アプリ」を作る流れ
ここでは、一件の修理依頼に対して、依頼元、受付日、対応状況、技術担当者、仕様書、作業内訳をまとめるアプリを考えます。実際の顧客事例ではなく、3つの設計機能を説明するための例です。
顧客担当者とのつながり
仕様書などの添付
金額と合計
① 管理する単位を決め、モジュールを作る
修理依頼一件を一レコードとして管理します。表示名、管理番号の接頭辞、配置先、ステータスを決めてモジュールを作ります。ステータスは「受付」「確認中」「対応中」「完了」など、自社で意味をそろえられる区分にします。
② 通常項目を加え、顧客との関連を設計する
標準レイアウトエディターで、受付日、機器名、希望日などを追加します。「モジュール・関連」で顧客企業との参照関係や、必要に応じた関連一覧を設定します。顧客名を自由入力で複製し続けるより、顧客レコードとの関係を持たせる構成を検討します。
③ 書式付きの対応内容・担当者・添付項目を加える
「項目・添付」で、対応内容を記録する書式付き説明、技術担当者、仕様書のファイル添付を作ります。同じ表示名の項目は重複作成できないため、既存項目と役割を整理して名前を付けます。
④ 作業内訳の表を作り、入力を確認する
「明細テーブル」で、作業項目、数量、単価、金額などの列を作成します。計算列と合計を設定し、必要な閲覧・編集ロールを決めます。テスト用の修理受付を登録し、一般利用者の権限でも入力、計算、保存、参照を確かめます。
同じ3機能を、別の業務にも応用する
| 業務アプリ案 | 親レコードで管理する内容 | 明細の例 |
|---|---|---|
| 設備点検 | 対象設備、点検日、担当者、結果の説明 | 点検箇所、測定値、判定、備考 |
| 工事・導入管理 | 顧客、案件、予定日、関連資料 | 作業項目、数量、単位、単価、金額 |
| 費用の申請受付 | 申請者、申請日、目的、添付資料 | 費目、金額、理由 |
| 商談の比較・要望管理 | 関連商談、対象顧客、検討内容 | 比較対象、評価、顧客の要望 |
これらはデータを管理する構成の提案です。承認、通知、スケジュール、会計処理などが必要な場合は、標準機能や他の拡張・開発との分担を別に検討します。
6.利用者の操作:レコードと明細を、それぞれ保存する
利用者は通常の業務モジュールでレコードを作成・編集し、詳細画面の「明細」タブから行の内訳を入力します。レコードを開いている場合は、そのレコードが入力先になります。
- 1.レコードを登録顧客・日付・状態・説明・添付などを保存
- 2.明細タブを開く対象の表を選び、行を追加・入力
- 3.計算を確認計算列と合計の結果を確認
- 4.明細を保存専用ボタンで行データを確定
行の追加・複製・並べ替え・削除
同じような作業行を複製して、数量や内容を変えることができます。行の順序は上下へ移動して調整し、不要な行は削除します。編集した結果は「明細を保存」で確定します。
専用ページから入力する場合は、レコード名で検索し、候補から入力先を選べます。通常はIDを調べる必要はありません。レコードIDが分かる場合の指定にも対応します。
Excelなどの表を、タブ区切りで貼り付ける
表の貼り付けは、タブ区切りの内容を末尾へ行として追加する機能です。見出しを除き、計算列以外の列を左から順にそろえます。チェックは0/1、日付はYYYY-MM-DD、数値は桁区切りなしなど、対応する形式で準備します。
セル内の改行・タブを含む表には対応しません。Excelの書式、関数、結合セルをそのまま持ち込む操作でもありません。貼り付け後に内容と計算結果を確認して保存します。
タブ移動と、ページを離れる操作を区別する
同じレコードの概要・詳細・コネクトなどのタブを移動する際は、入力途中の明細を保持する構成です。ただし、ページの再読み込みや別レコードへ移動する前には保存します。下書きの保持を、自動保存や障害時の復元機能として扱わないようにしましょう。
同時に別の人が更新した場合や設定が変わった場合は、競合を知らせ、他の更新をそのまま上書きしない仕組みがあります。自分の入力内容を控えたうえで最新の状態を読み直し、反映する内容を確認します。
7.行データのレポート・CSV出力と、帳票への利用
明細の内容を、専用レポートで確認する
明細は一件の画面内で入力するだけでなく、専用の「行データのレポート」で確認できます。対象の表、対応する列条件やグループを設定し、行データや、合計対象列の集計を確認します。現在の条件でCSV出力も行えます。
例えば、費用明細を費目でまとめたり、作業内訳を対象レコードや列条件で絞って確認したりする構成を検討できます。取得対象は最大10,000行で、超える場合は条件を絞ります。
レポート・CSVでは、親レコードを閲覧できることに加え、対象モジュールのエクスポート権限も確認します。標準レポートや既存のレポート拡張へ、明細列が自動で追加されるものではありません。
PDFへの差し込みは、対応版を確認する追加連携
同梱資料では、IPPDFDesigner 1.1.3向けの任意の追加連携を案内しています。連携を適用すると、対象の文章ブロックへ明細表を差し込む構成を利用できます。IPModuleMakerのインストールだけで自動適用されるものではありません。
この連携ツールはIPPDFDesigner 1.1.4以降や個別改修版を対象としていません。PDFへの出力を検討する場合は、利用中の版と対応方法を確認します。また、明細テーブル本体の最大20列に対し、この追加PDF連携は最大10列など、出力側にも条件があります。
8.権限と設定変更:使い続けるための設計
設計する人と、業務データを入力する人を分ける
モジュール作成、関連、項目、明細定義の設計は管理者用です。一般利用者は、権限を持つ業務モジュールでレコードや明細を利用します。
明細には、親レコードの権限に加え、表ごとの閲覧・編集ロールを設定できます。ロールを限定した場合は、その選択したロールが対象で、下位ロールへの自動継承とは異なります。編集には閲覧できることも必要です。
明細の列ごとの権限はありません。機密性の異なる列を同じ表へ入れる前に、表を分ける方法などを検討します。
データを保存した明細は、列構成・計算式を固定する
明細表は、作成後に対象モジュールと識別子を変更できません。また、入力データを保存した後は、列の種類や構成、計算式を変更できない扱いです。表示名・合計表示・権限など、変更できる設定と区別します。
構成を変える場合は、定義を複製して新しい表を作ります。複製は新しい表の設計を作る操作で、既存のすべての行データが自動変換・移動されるものではありません。過去の記録をどの表で保持するかも決めましょう。
関連の非表示・復元と、データの削除は分けて管理する
関連の削除操作では、入力データを保持して項目・関連一覧を非表示にし、「削除済みの関連」から復元する構成です。不要な関係を画面から外すことと、業務データそのものを消すことを区別できます。
エクステンションの標準アンインストールも、作成済みの業務データを保持する仕様です。一方、対応する管理ツールからの完全削除は、明細・履歴を含む専用管理テーブルを削除対象とします。単なる機能停止と同じ扱いにしないようにします。
生成した業務モジュールや標準フィールド、業務テーブル、非公開の物理添付ファイルは自動削除されません。利用終了時も、残す情報と削除対象を個別に確認します。
9.導入と運用開始前に確認したいこと
管理の入口は、CRM設定 → その他の設定 → 業務アプリメーカーです。「設定の概要」「モジュール・関連」「項目・添付」「明細テーブル」の4タブから、作りたい内容に応じて進めます。
- 一件の単位と必要情報を決める受付、設備、申請など、何を一件として管理するかをそろえる。
- 3つの設計機能と標準項目を設定入れ物・関連・通常項目・添付・明細を作る。
- 利用者の操作と権限を確かめるレコード保存、添付取得、明細の計算・保存・レポートを試す。
- 運用と管理の担当を決める項目変更、計算ルール、バックアップ、問い合わせ先を決める。
サーバー環境と、添付保存先の準備
同梱資料では、PHP 8.1以降、BCMath、mbstring、DOM、fileinfo、およびVtiger標準の実行要件を必要としています。モジュールZIP出力には、Vtiger側のZIP機能も必要です。
モジュールを生成するため、PHP実行ユーザーが必要なファイル・言語・レイアウト・キャッシュへ書き込めることも確認します。添付の保存先はWeb公開領域外に準備し、容量とバックアップ対象を整理します。
Vtigerのコアファイルを自動で上書きしたり、追加Cronを要求したりする構成ではありません。ただし、モジュール生成や設定はCRM環境に変更を加える操作なので、DBとファイルをバックアップし、テスト環境で確認してから適用します。
機能を停止したとき、何が止まるかを確認する
概要からモジュール・関連の設計と、高度な項目・添付を個別に停止できます。作成済みの業務モジュール・フィールド・入力値は削除しません。
一方、「項目・添付」を停止すると、書式表示、添付操作、追加の保存検証も停止します。停止中の対象項目の編集は避け、開いているCRM画面を再読み込みします。全体の無効化では明細の入口なども止まるため、利用者へ運用の変更を伝えます。
本記事で確認した範囲と、実環境での確認
記事の機能説明は、支給版のガイド・画面定義・PHP/JavaScriptを照合したものです。本記事作成時に、完全な稼働CRMへインストールして受入確認したものではありません。
同梱の検証資料も、検証用のVtiger APIなどを使った確認と、実CRMへのインストール・実ブラウザーの表示・Webアップロード・実PDF出力などの未確認範囲を区別しています。自社の環境で、管理者と一般利用者の双方から操作を確認します。
10.IPModuleMakerについて、よくある質問
プログラミングをしなくても業務アプリを作れますか?
対応する範囲のモジュール・関連・拡張項目・明細は、管理者用の画面から設定します。通常項目には標準レイアウトエディターを使います。対象外の画面、外部システム連携、独自の自動処理などは、別途設計・開発が必要な場合があります。
標準の顧客管理などに、添付や明細だけを追加できますか?
新規モジュールを作る用途に加え、対応する既存モジュールへ拡張項目や明細を設定する使い方もできます。対象モジュール・項目の種類・権限・画面構造が対応することを確認します。
明細は、レコードの新規作成画面で一緒に保存できますか?
この版では、親レコードと明細は別々に保存します。親レコードを登録して詳細の明細タブなどから入力します。クイック作成・一括編集・標準CSVインポートから、同じように明細を入力する構成ではありません。
書式付き説明の中の表と、明細テーブルは同じですか?
異なります。説明内の表は文章表現の一部です。数量・単価の計算、行ごとの入力、合計、履歴、専用レポートを使いたい場合は明細テーブルを設計します。
追加担当者に選んだ人は、自動でレコードを見られますか?
追加担当者の項目は、所有者や共有権限を変更しません。閲覧・編集に必要な権限は、CRM側で別に確認します。
明細を標準帳票やレポートへ、そのまま出せますか?
専用レポート・CSVは用意されていますが、標準レポートなどへ自動追加されるものではありません。PDFは対応版への任意の追加連携として扱い、帳票側の版と条件を確認します。
入力支援のIPInputAssistとは、どう役割が違いますか?
IPModuleMakerは、管理する入れ物・情報同士の関係・項目・明細を作る役割です。IPInputAssistは、対応する画面での説明、関連情報の自動入力、候補選び、入力書式、住所入力などを支える役割です。組み合わせる場合も、各機能の対象画面や項目を確認して設計します。
まとめ|顧客情報と業務の内訳を、同じ基盤で扱う
IPModuleMakerは、モジュール・関連、項目・添付、明細テーブルの3つの機能を備えた、vtplusの業務アプリ作成支援エクステンションです。標準レイアウトエディターを組み合わせ、自社で必要な情報のまとまりを設計します。
修理受付、設備点検、作業内訳、費用の受付など、まずは一つの業務について「何を一件として管理するか」「どの情報とつなぐか」「どこを行の内訳にするか」を整理してみてください。vtplusでの実現範囲を具体的に検討する材料になります。
